ep6:"宿命" sec-3
会議室。長机に並ぶ職員たちと彼女。
研究主任「被験体D-217について、次段階へ移行する」
モニターに拘束椅子の上で眠らされている少女の映像が映る。
研究主任「感覚予測精度は依然として上昇中。だが限界値が見え始めている。我々はこれを外部視覚への依存が原因と考える」
研究員「……と言いますと」
研究主任「感覚器官の強制活性化を提案する」
スライドが切り替わる。
《視覚器官摘出試験》
研究主任「D-217の両眼を摘出する」
空気が静まった。
新人職員「……両眼、ですか?」
研究主任「そうだ。異論があるか」
新人職員「いえ……ただ、そこまでやる必要が」
研究主任「必要だから提案しているだけだ」
別の研究員「古い事例では、視覚喪失後に空間知覚が異常発達した例もあります。D-217なら適応する可能性が高いです」
新人職員「……被検体が発狂する可能性は」
研究主任「仮に精神崩壊しても問題ない。代替個体は用意してある」
淡々と話が進んでいく中、女性職員は端末を見つめたまま黙っている。
研究主任「記録管理側としての意見を募りたい。お前はどう思う」
女性職員「……はい」
ほんのわずかに彼女の視線が揺れる。
女性職員「……現時点のデータ推移から見れば、実行する合理性はあります。異論はありません」
研究主任「結構だ。有難う」
会議はそのまま進行する。
術後観察や精神反応、失明後の知覚変化などが滝のように数字で羅列される。
誰も少女が怖がるかどうかなんて話していなかった。
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会議終了後。
職員たちが散っていく。
同僚「お疲れ。顔怖いぞ」
女性職員「……元からです」
同僚「いつもそう言う。だが今日は格別悪いぞ」
女性職員「……寝不足です」
それだけ言って、彼女は廊下を歩いていつもの観察室にたどり着いた。
ガラスの向こうでは少女が床に座っている。
珍しく実験の合間らしく拘束はされていない。
少女は細い膝を抱え、ぼんやり天井を見ていた。
女性職員「……」
腕には無数の注射痕や包帯、火傷痕が残されている。
それでも、まだ目だけは残っていた。
その目がふと、ガラスの方に向く。
少女「……?」
特殊加工でこちら側とは完全遮断されているため、当然見えるはずがない。
それでも少女はじっとこちらを向いたままだった。
女性職員「……」
少女「……誰か、いるの?」
女性職員「……」
少女「……お前、誰」
彼女は少し驚いたような顔をするが、沈黙を続ける。
彼女の権限では被検体とのコミュニケーションは禁忌である。
少女「……あいつらじゃない?」
沈黙。
少女は返答をしばらく待っていたが、やがて小さく笑う。
少女「……ま、いっか」
その笑い方は痛みと諦めで変質した、乾いた声だった。
少女「どうせ誰も助けないんでしょ」
その言葉に、彼女の視線がわずかに落ちて会議室の資料が頭をよぎる。
《視覚器官摘出》
《感覚活性化》
《実施予定:48時間以内》
目の前の少女は、明日には自分の目が失われることを知らないまま薄ら笑っている。
彼女はガラス越しにその姿を見ながら、ぽつりと呟く。
女性職員「……私は」
そのあとの言葉は続かなかった。
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翌日。
拘束台の上で、少女の四肢が固定されている。
少女「……何これ」
研究員「定期処置だ」
少女「……嘘」
研究員「麻酔投入開始」
腕に針が刺さり少女は顔をしかめるが、いつもの薬剤だと思ったのかそれ以上は暴れない。
ガラス越しの観察室に彼女はいつもの位置に立っていたが、今日は妙に息苦しかった。
研究主任「被験体D-217、これより感覚遮断手術を開始する」
少女「……は?感覚遮断?」
研究主任「視覚器官を摘出する」
淡々と告げられた言葉に理解が追いつかなかったみたいに、少女が固まる。
少女「……は?」
研究主任「直感領域活性化のため、両眼を摘出する」
少女「……な」
研究員「拘束を強化しろ」
ガチャリ、と金具が締まる。
その瞬間、少女が初めて本気で暴れ始めた。
少女「待って待って待って待ってッ!!!!!!」
拘束台が揺れる。
少女「嫌だ!! 嫌だ嫌だ嫌だ!!」
研究員「脈拍数が急上昇している」
少女「やめろ!! 触んなッ!!」
研究主任「被験体興奮状態。鎮静剤を追加する」
少女「ふざけんな!! 目だぞ!? 私の!!!!」
叫び声が処置室に響く。
少女「嫌だ!! 嫌だ嫌だ嫌だ!! やだぁッ!!」
研究員たちの顔色は変わらず、まるで騒音でも聞いているみたいに顔をしかめているだけで手は一切止まらなかった。
少女「助けて!!! 誰か!!!!」
ガラスの向こうで、彼女の指先がわずかに強く端末を握る。
だが動かない。
少女「誰か!!!誰でもいい!!やめさせて!!!!」
研究員「麻酔効力が不十分ですが……」
研究主任「問題ない。続行しろ」
研究員「承知しました」
やがて少女の両眼が無理やり開かれる。そこに金属状の鋭い針が近づく。
少女「嫌だ!! 嫌だ!! 見えなくなる!!!!!」
研究員「準備完了。摘出開始します」
その瞬間。
人間の声とは思えない悲鳴が上がった。
少女「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!!!!」
身体が異様に跳ね、拘束具が激しく軋み始める。
研究員「固定維持!」
研究主任「押さえろ!!」
少女「痛いッ!! 痛い痛い痛い痛い!!」
明らかに麻酔が足りていないが、誰も止めない。
研究員「被験体、知覚過敏反応確認!」
研究主任「記録しろ!」
少女「見え……ッ、見え……っ!!」
白い拘束具に鮮血が広がる。少女は泣き叫びながら暴れ続けている。
少女「やだ!! やめて!!」
研究員「左眼摘出完了」
少女「あぁぁぁぁッ!!」
彼女は瞬き一つせず、その光景をひたすら見ていた。
それしか許されないからである。
研究主任「続けろ」
やがて右眼に針がかかる。
少女「いやぁぁぁぁぁぁッ!!!!」
喉が裂けそうな声と共に、爪が拘束具に食い込み指先から血が流れる。
少女「見、見えな…………!!!」
研究主任「脳波異常上昇」
研究員「直感領域活性化を確認」
研究主任「……成功か?」
数十分後。
処置室は静かになっていた。
拘束台の上で少女が荒く息をしている。
そして、両目があった場所には、赤黒い穴と血痕だけが残っていた。
少女「……ぁ……」
研究員「生命維持安定」
研究主任「施術は成功した。明日から引き続き観察フェーズへ移行しろ」
誰も少女を見ようとしなく、次々と人が去っていった。
最後に残った彼女だけが、ガラス越しに立ったまま少女を見ていた。
少女は開き切った「両目」でぐったりと天井を見つめている。
なのに。
少女「……いる……」
掠れた声。
少女「……そこ……」
彼女の背筋がわずかに強張る。
少女「……お前……ずっと……」
少女の顔を伝う涙は、もう目から流れているのか血なのか分からなかった。
少女「……見てた……な」
彼女は凄まじい顔をするものの、声だけは出さなかった。
やがて、少女は笑い始めた。壊れたみたいな笑い方だった。
少女「……最低……はは……ははは……」
その言葉だけを残して、やがて少女は意識を失った。
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数年後。
研究員「被験体D-217、空間認識精度が異常値へ到達」
研究員「視覚喪失後、聴覚・触覚・魔力感知すべて増幅を確認しています」
研究主任「やはり成功だったか」
暗い実験室の中、少女が椅子に座っている。
両目のあった場所は白い布で覆われていた。
かつてみたいに暴れることはもうないが、その代わり異様に静かだった。
研究員「被験体、次の刺激を予測しろ」
少女「左後方。三人。うち一人は刃物を所持」
研究員たちが一瞬固まる。
研究員「……どうやった」
少女「……知らない」
研究員「気配か?」
少女「違う」
研究員「なら何だ」
少女「……そう分かるだけ」
淡々と告げる。昔みたいな激しさはもう残っていなかった。
研究主任「素晴らしい」
研究員「完全に適応しましたね」
研究主任「いや。適応じゃない」
ガラス越しに少女を見る。
研究主任「壊れた結果だ」
その頃にはもう、その女性職員は実験施設を去っていた。
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更に数年後。
Celes「お前、その処方は何だ」
Eva「患者にできる限り苦痛を与えないような工夫を行いました」
Celes「その理屈で医療通るとでも思ってんのか?」
Eva「実際セオリーとは少し逸脱してますが、バイタルは安定しているじゃないですか。患者の実態を詳細に診ない方がおかしいでしょう」
Celes「……まあ間違ってはないし実際お前は優秀だ。だが新人の癖にそのデカい態度を好まないやつもいるみたいだが」
Eva「院内の政治より患者です。それに、先輩ほど態度もデカくないですけど」
Celes「また減らず口を……ほらさっさと次のカルテでも見とけ」
Eva「言われなくとも」
彼女は医者になって日の浅いEvaを部下に携え、いつものように指導していた。
別の医者「……全く、あの新人の態度はなんとかならんのかね、Celes先生。腕が立つのもなおさら憎いもんで」
Celes「私も出来る限りの事はしていますが、なかなか強情で……心配しなくとも貴方の顔は立てておきますから」
彼女の最大の長所と流儀は誰とも敵を作らず、常に傍観者であることである。それが、どのような組織でも最大の武器である。
Celes「おいEva、終業後にカルテ見続けるのやめろ。さっさとメシ行くぞ」
Eva「医者として成就するためなら何でもします。私には時間が無いんです」
Celes「そういうやつに限って潰れるんだぞ。私がやっといてやるからさっさと来い」
Eva「ちょ、離してください!!」
そういってEvaを連れ出すCeles。憎らしくも可愛い部下も出来て、彼女にとっては昔と別世界だった。
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休憩室。
Celes「相変わらず備え付けの珈琲は不味い」
Eva「目が覚めるなら何だって良いでしょう」
Celes「可愛げのねえ奴だな……」
Eva「先輩の頭についてるケモミミは可愛いですよ」
Celes「殺すぞ!!!」
そう言ってEvaの頬をもみくちゃにし始める。そんな中、テレビがあるニュースを流していた。
『本日未明、北部研究区域にて大規模火災』
Evaを羽交い絞めにしていたCelesの手が止まる。
『火災原因は現在調査中です。なお、収容対象の一部所在が不明との情報もあり……』
Celesの視線が細くなる。
『内部資料の焼失も激しく、詳細確認は難航しています』
『一部では被験体の脱走可能性も』
その単語だけで、昔の光景が蘇る。
Celes「……まさか」
脳裏に浮かぶのは、あの施設で職員として働いていた自分。そして、白い布で目を覆ったあの少女だった。
あれが外へ出たらどうなる。
生きてるのか死んだのか。
そもそも人間として残っているのか。
考え始めた瞬間。
Eva「……先輩」
Celes「……あ」
Eva「……そろそろ離してくれませんか」
Celes「……」
Eva「……先輩もテレビとか興味あるんですか?いつも何にも興味なさそうな目をしてますけど」
テレビには燃え上がる施設が映っている。
その奥にかつての記憶がちらつき始めていたが、Evaの声を聴いていつもの無表情へ戻っていった。
Celes「……飽きた。そろそろ戻るぞ」
Eva「なんか機嫌悪くないです?」
Celes「元からだ」
Eva「それはそうですね」
Celesはテレビを消し、見なかったことにするみたいに職場に戻っていく。
もし本当に、少女が逃げていたとしても自分には関係ない。
……そう思うことにした。
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遠い記憶をいっぺんに呼び覚ましていたCeles。
思わずぼぅ、としていてはっとした頃には、目の前にいつもの研究室があった。
ソファではEvaがだらけ、Stellaは何かの資料を眺め、Verisは机の上を整理し、Quanは相変わらず本を読んでいる。
そして、その少し離れた場所ではSolがゲーム機を弄っていた。
Sol「……でさ、ここ絶対隠しルートだと思うんだよな。普通に進んだら明らかに損する配置になってるし、こういうのは大体裏があるんだよ」
Quan「その程度なら攻略情報を見れば分かるだろう。なぜわざわざ自力で調べている」
Sol「馬鹿だな理屈屋。自分で見つけるから面白いんだろ。最初から答え見てゲームやるくらいなら、もうゲームやる意味ないじゃん」
Quan「……合理性はないが、お前らしい回答ではあるな」
Celes「……相変わらず仲がいいな、お前たちは」
Sol「どこがだよ!こいつとはいつも喧嘩してるぞ」
Quan「馬鹿が一方的に絡んでくるだけだ」
Sol「ほらまた!」
Celesは笑いながらも、その視線は自然とSolへ向いていた。
初めてここへ来た時からその白い髪や盲目という事実、どこか人を食ったような態度、そして異常な直観力には何か違和感を覚えていた。
ただの偶然だと思っていた。
あの「施設」を辞めてから長い年月が経っており、あの少女が今どうしているかなど知るはずもなかったし、生きているかも分からない。やがて記憶の彼方へ封じ込めかけていた。
だが、何度もSolを見ているうちに、Celesの中で一つずつ点が繋がり始めていた。
声、仕草、そしてあの笑い声。
Solが何気なく口にする言葉の端々に、かつてガラス越しに見ていた少女の面影があったのである。
Sol「……あ、誰か来るかも」
Veris「え? 何の話ですか?」
直後、廊下の外から誰かが通り過ぎて行った。
Stella「すごい、当たった!」
Sol「ほらな!こういうのは分かるんだよなー、流石私!」
Eva「もう少し有意義なことに使ってくれないかな」
Sol「サボってるやつに比べたら有意義だぞ!」
Celesは何も言わなかった。次第に胸の奥が静かに冷えていく。
……あの少女もそうだった。理屈など無いにも関わらず、何かが起きる前に分かるのである。
そして、施設はその能力を極限まで引き出すために……彼女の眼を。
Celes「……Sol」
Sol「ん?」
Celes「いや、何でもない。随分と勘がいいなと思っただけだ」
Sol「あー?勘っていうか、直感?私は昔からこういうのだけは得意なんだよ」
Celes「そうか……昔から、か」
Sol「ん? なんか変なこと言った?」
Celes「いや、何でも」
Celesは表向きは笑いつつも、腹の内では確信を得ていた。
こいつだ。
自分がずっとガラスの向こうから見ていたあの被検体。
D-217。
名前すら持たなかった少女。
実験のために生まれ、実験のために眼を奪われた少女。
その少女が今、Solという名前でここにいる。
Celesはその事実を、誰にも話さなかった。
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その後、Solに対してだけCelesの態度が少しずつ変わっていった。
Celes「Sol、そこの段差には気をつけろ。昨日Stellaが荷物を置いたままにしていたらしい」
Sol「お、サンキューCeles。珍しく親切じゃん」
Celes「私はいつだって親切だろう。お前たちが普段それを受け取ってくれないだけだ」
Sol「嘘つけ。Evaいじめてる時めちゃくちゃ楽しそうじゃん」
Celes「それとこれとは別の話だ」
Eva「……」
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また別の日。
Solが研究棟の階段を降りようとしていると、Celesが先に手すりの位置を確認する。
Celes「おい、こっちの手すりが空いているぞ。使うならこちらの方が歩きやすいのではないか?」
Sol「いや別に大丈夫だけど……なんか最近のCeles、妙に優しくない?」
Celes「そうか?友人に多少気を遣うくらい、別に不思議でもないだろう」
Sol「いや、前はもっとEvaをボコボコにしてたし、何考えてるかわかんない怖さがあったじゃん」
Celes「……Evaを虐めていたら心が軽くなってきた」
Eva「私をストレスのはけ口にするのやめろ」
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夕食時。
Stellaが作った料理をSolが乱暴に食べていると、Celesがさりげなく皿を寄せる。
Celes「……Sol、行儀が悪いぞ。それに急いで食うと詰まる」
Sol「……なんか母ちゃんみたいになってない?」
Celes「失礼だな。私はお前の親…………保護者になる気はない」
Stella「Celesさん、もしかしてSolちゃんのこと気に入った?」
Celes「……否定はしない。面白い奴ではあると思っている」
Sol「へへ、だろ?」
話術に長けているCelesはのらりくらりと誤魔化し続けた。SolはCelesが自分を見ている理由など、知る由もない。
Celes「……しかしSol、お前は随分と周囲に馴染んだ……馴染んでいるな。最初に会った時から思っていたが、ここの連中とは妙に相性がいい」
Sol「まあな!委員長はいっつもキレてるけど私の相手してくれるし、Stellaは飯くれるし、Quanは適当に相手してくれるし、Evaとは悪巧みできるし、ここの居心地としては悪くねぇかな」
Veris「私だけなんですかそれ……」
Celes「……そうか。それなら良かった」
Sol「……?」
ほんの一瞬だけSolが首を傾げたが、すぐにゲいつもの調子に戻った。
Sol「じゃ、メシ食ったし私はゲーム続きやるから。Celesも暇なら見てていいぞ、今からボス面だし」
Veris「先に片づけてください!!」
Celes「はは……では少し見せてもらおうか」
Celesはゲームに夢中になってるSolを眺めながら、ふと思う。
あの時ガラスの向こうにいた少女もこんなふうに笑ったことがあっただろうか。
記憶の中ではいつも怯え、叫び、泣いていた。
そう考えると、目の前の少女を見て安心するとともに胸の奥には古い痛みが蘇って来ていた。
Celes(あの時の私は……見ていただけで……)
Sol「どったのCeles。顔凄いよ」
Celes「いや……何でもない。それよりお前のキャラ死にかけてるが」
Sol「変なの……ってアーーー!!またやり直し!?!?」
Quan「静かにしろ……」
いつものような和気あいあいとした雰囲気だが、Celesは以前のようにあまり笑えなくなっていた。
Eva「……」
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その日の帰り際。
Stella「Celesさん今日もありがと!やる気あるときのEvaくらい助かるよ!また来てね!」
Veris「実際……研究進捗に貢献していただいて本当に助かります。ただ……お仕事もあるでしょうし無理しないでくださいね」
Celes「ああ。ストレス発散機が常設してるならいつでも来たいくらいだ」
Eva「誰がだ!!」
見送りの際、Solが手を振り始める。
Sol「またな!変なケモミミ女!」
Eva「ちょそれ言うと殺されるぞ!!」
Celes「あ?……あぁ」
CelesはSolを一瞥した後、どこかぎこちなさそうに手を振ってさっさと歩いて行った。
Quan「……頭部に言及するのは禁忌なのか」
Eva「いやマジで毎回それ言ったら鬼のように怒るんだが……いやそれよりも……」
Stella「どうしたの?」
Eva「……忘れ物届けてくる。すぐ戻る」
そういうとEvaもさっさと研究室から出て行ってしまった。
Veris「……何だかんだEvaさんもCelesさんのこと好きなんじゃないですか?」
Sol「マゾ?」